教育実習は辛いと言われています。
短期間で、たくさんの先生や子どもに挨拶をし、子どもや生徒との関係を構築し、研究授業の公開までしなければいけません。
授業は生き物です。子どもや生徒に発問をすれば、予想外の答えが返ってきて、授業の進路が変わってしまうなんてこともあります。
現役の教員でも、馴染みのないクラスでいきなり授業をしろ、と言われたら難しいです。
それを、人前で話す経験や授業経験が少ない学生がやろうとするのだから、「辛い」と感じて当たり前です。当たり前なんです。
ではそんな、「辛い教育実習」をどうすれば、「楽しく、学びのある、充実した」教育実習にできるのでしょうか。
この記事では、小学校や中学校の教育実習を経験した筆者が、教育実習を充実したものにするために準備したい心構えや、教育実習中の押さえてほしいポイントをまとめていきます。
教育実習を楽しく乗り越えましょう!
こんな人におすすめの記事
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実習中の人は飛ばして読んでくださいね。
教育実習とは?
教育実習は、教育関連の学部や専攻を履修している学生が、実際の学校や教育機関で教育活動を行うためのプログラムや実践のことを指します。
これは、教育に関する理論や知識を学ぶだけでなく、実際の現場でその知識やスキルを実践する機会を提供することで、学生が教育者としての実践力を身につけるための重要な実習です。
特に教育は、大学で教わる理論以上に現場での実践経験が大切です。
教育実習で学んだ色々な経験を通して、次の4月から新規採用教員として、現場で活躍できる人材へと成長していきます。
教育実習ではどんなことをするの?
学生は、実際の授業を観察したり、教員の補助として活動したり、授業計画(単現計画)をし、授業をすることで、教員としての実践力を身につけます。
期間中は、現役教員の授業はもちろん、他の実習生の授業を見学する機会もあります。
ただ、明確なカリキュラムはなく、公開する授業数なども学校によってまちまちです。
また、指導教員や教育指導者からその日のフィードバックや授業後の指導を受けることで、自己の成長を促進します。
授業が大きな柱ですが、もちろんそれだけではありません。
休み時間や給食、ランチタイムは子どもや生徒と関わり、児童理解、生徒理解に努めます。
放課後は職員会議に出席したり、学校の行事の準備などをお願いされることもあります。
学校の仕事が終われば、実習簿を書いたり、自分の授業の準備をしたりします。
担当学年は事前に知らされていることもありますが、小学校などは授業教科なども実習が始まってから決めることも多く、本当に実習中の2週間〜1ヶ月はバタバタと過ぎていきます。
教育実習は辛い?
教育実習辛いよ〜〜〜〜ん😭
— みかんのうえのにゃんこ (@mikann_uma_uma) May 25, 2022
教育実習 辛い で検索してひたすら仲間を求めている
— ゅ (@aguuysea) June 17, 2021
教育実習と検索すると、辛いなどのワードも出てきます。
普段慣れない場所にスーツを着て、早起きをして実習をするので「辛い」と感じる人も多いようですね。
では、どのような瞬間に教育実習を辛いと感じるのでしょうか。
担当教員と合わなくて辛い
教育実習先の学校が決まれば、その学校内の先生が指導教員として、実習生につきます。
実習先が小学校の人は、1日の大半をその担当教員と共に行動することになります。
その担当教員が自分と相性が悪く、しんどくなってしまう人がいます。
具体的には、厳しく指導されたり、実習生のやりたいこと挑戦したいことを尊重してくれず否定されたりといったことがありました。
担当教員にあたる先生は、その学校でも中堅〜ベテランの先生が多いです。
安定した学級経営ができ、色々な経験をし、教育観をもった方達です。
基本的には、優しく人当たりの良い人が教員をしていることが多いのですが、中には実習生に情熱を注ぎすぎて、その熱量が実習生にとってはしんどく感じることもあるようです。
行事が多い時期は忙しすぎて、担当の先生にフィードバックの時間をとってもらえないということもあるかもしれません。
生徒児童との関係性が辛い
教育実習をしていく上で欠かせないのが、生徒や児童との関わりです。
小学校の低学年などは、若いお兄さんやお姉さんが来てくれて遊んだりおしゃべりしたりしてくれるだけで喜び、慕ってくれるかもしれません。笑
しかし、小学校高学年〜中学生ごろの子どもは、打ち解けるのに時間がかかる人もいるでしょう。
普段、子どもと関わりがない人は「どのように関わっていいかわからない」という人もいます。
生徒児童との関係が良好だと、授業などで実習生のことを頑張って手を上げてくれたり、考えてくれたりして助けてくれます。
いい関係を築くべきだとわかっていても、接し方の面で悩んでいる人は多いようです。
指導案作りや授業作りが辛い
教育実習の柱はなんといっても、実習後半に待っている研究授業です。
一つの授業を作りあげるのに、単元計画、発問計画、時間配分、板書計画、児童生徒の反応などなど経験の浅い学生にとって非常に多くのことを考え、授業当日を迎えることになります。
他の先生や実習生に授業を公開さうる際に必要になってくるのが指導案です。
指導案はネット上にたくさん転がっていますが、学校によって子どもの学力などの実態は様々であるため、そのままコピーして使うなんてことはできません。
子どもとの関わりを通して、自分なりにアレンジを加えて授業を組み立てていきます。
授業作りは明確なゴールもなく、授業をやってみるまではわからないことも多いため不安で仕方がないという人も多いようです。
人前で話すのが辛い
私は学生の時、人前で話すのが苦手でした。
顔が赤くなり、頭が真っ白になっていました。
教育実習先では、実習先の先生達、全校児童生徒の前で挨拶(放送などで済ませる時もあります)、クラスの子どもへの挨拶、そして、実習後の挨拶など、人前で話す機会がたくさんあります。
普段、授業やアルバイトなどで、喋る機会があるという人は問題ないかもしれませんが、普段しないことをする実習期間はやはりストレスフルで、負担に感じる人は多いです。
早起きが辛い
大学の授業も落ち着いてきた頃に実習があるので、バイトに明け暮れていて生活リズムが乱れているという人もいると思います。
朝は、8時30分ごろ(自治体によって違う)から始まりますが、子どもが登校するのはもっと早いので、朝早くから学校に来ている先生は多いです。
強制はないと思いますが、実習生についても早めの来る人は少なくありません。
教育実習の辛さを乗り越える方法
では、それぞれの辛さの対策や、乗り越え方を考えていきます。
「担当教員と合わなくて辛い」場合
教育業界も人手不足が叫ばれています。現場でも危機感を抱いている人は少なくありません。
ですので、基本的には、学校側も熱意のある先生を指導教員に選んでいるケースがほとんどです。
その上で、担当教員の熱量と実習生の熱量に違いがあり、しんどくなってしまうということがあります。
私は、教育実習生と関わるときにあることを聞くようにしています。それは、
「将来、教員を志望しているかどうか」
です。
実習生の中には、免許取得が目的で教員を志望していない学生さんや、教育実習をしてから進路を決めようと思っている学生さんなど様々です。
そんな、教育実習生に「教員になるためには…」というように偉そうに上から物を言うのは違うと思いますし、教育実習生もしんどくなってしまいます。
少しでも、担当教員と実習生との考え方の違いを埋めるために上記のような質問をして、アドバイスなどをしていくようにしています。
もし、伝えられる機会があれば、実習生であるあなたが教員を志望しているのか、はたまた悩んでいるのか、将来ぼんやりと抱いていることを伝えられると担当教員側の言葉も変わってきます。
「生徒児童との関係性が辛い」場合
生徒児童との関係性を2週間から1ヵ月という短い期間で作っていくのはなかなか難しいです。
「子どもの考えていることがわからない」からといって話しかけないと、余計に関係性が構築できないまま終わってしまいます。
子供は基本的に若い先生が大好きです。
その子がどんなことを考えているのか、どんなものに興味を持っているのか、授業をする学級の子どもに対してはなるべく全員に話しかけられるようにしましょう。
もちろん、中には話しかけて欲しくない雰囲気を出す子もいると思いますので、そういった子には無理に話しかけようとせず、授業の中で関われるところだけ関われればいいと思います。
児童生徒から実習生に寄ってくる子は、ほっといても関係性が出来上がっていきます。
注目すべきは物静かで実習生のもとになかなか来れない子です。
そういった子にも目を向けられるようにしていきたいですね。
「指導案作りや授業作りが辛い」場合
短期間で指導案や授業を作っていくのは本当に難しいと思います。
1日教室に入ると、教室の雰囲気がつかめるかと思いますので、この学級の子供たちに対してこのような授業してみたいと言う思いができればそれを膨らましていくようにして授業を作っていけばいいと思います。
最初は自分の好きな教科や自信のある教科で良いと思いますので、「やってみたい」という気持ちを担当教員に相談してみましょう。
今はネット上に指導案なども溢れています。
ですが、それを全てコピーして使うだけでは自分の力にもなりません。
ネット上の指導案を参考に、目の前の子供たちと照らし合わせて、自分なりにアレンジし、オリジナルの授業を作れるといいですね。
自治体によっては、その自治体の授業計画書などもありますので、そういったものもあるか聞いてみるといいですね。授業作りが楽しめるといいですね。
真面目な人ほど、自分を追い詰めがちですので、
どんな人でもパーフェクトな授業なんて無理!何事も挑戦!
という気持ちで授業ができるといいですね。
現役の教員ですら、非の打ちどころのない授業なんてできませんので笑
「人前で話すのが辛い」場合
人前で話すのが苦手な人は、人前で話す経験をすればするほど慣れてきて、上手に話せるようになってきます。
最初のうちは、台本を書く位の気持ちで、どんな話をするのか考えていくと良いでしょう。
挨拶や自己紹介の場合、自分を表すことを1つ2つ相手に伝えられるといいですね。
私はよく「たこ焼きが好き」という話をします。笑
考えてるだけではなく、実際に小さな声でもいいので口に出し、
考えなくても口が覚えているくらいに台詞がペラペラ出るようになると、それが自信につながり、本番も人前で上がらずに話すこともできます。
「早起きが辛い」場合
こればかりは、生活のリズムを事前に整えておくことが必要です。
実習先の学校にもよりますが、朝は6時ごろには起き、太陽の光を浴びるようにしましょう。
夜は遅くとも日付が変わる頃には寝るようにし、いつもよりも睡眠時間を多めに取る意識をしましょう。
実習が始まると、頭だけではなく、体力もかなり使いますので、なるべく睡眠時間を取り、万全の状態で望むようにできるといいですね。
辛さを乗り越えるコツ
いざ4月から教師として教壇に立つと、辛くしんどかったけど、1年後学年が変わると案外楽しくできた、という若い先生も大勢います。
どうしても、人間を相手にする職業ですので相性の良し悪しも出てきます。
実習は良くも悪くも短期間で終わります。
あと○日頑張ろう、という思いで期間中は頑張りましょう。
その苦労が将来、何かを頑張る糧になるかもしれません。
教育実習を楽しむ方法
教育実習を楽しんでいるな、と感じる学生さんは、実習中の姿勢や休日の使い方が上手だと感じる人が多いです。
教育実習を楽しんでいる人の特徴
教育実習はしんどいものですが、中には楽しみながらやっているなぁと感じる人がいます。
楽しんでる人の特徴として、主体的に自分から学ぶ姿勢があると感じます。
わからない事はそのままにせず、積極的に聞き、子供にも自分から関わりを持とうとしています。
自分のクラスの子だけでなく、学校の子どもにどんどん関わりを持とうとしている人は、教育実習を楽しんでいるように感じます。
もちろんできる範囲で良いので、自分からどんどん関わっていったり、質問したりしていくといいですね。
教育実習のストレスを軽減する方法
これは教育実習生にかかわりませんが、休日を使ってうまくリフレッシュしていくようにしましょう。
私は採用試験の時に試験官から「趣味はありますか」と尋ねられました。
これは受験者の趣味を聞きたいのではなく、何か良いリフレッシュ方法を持っているかどうかということが聞きたいのだと思います。
好きなスポーツや没頭できるアニメ、読書、音楽など、自分の中で好きなものを1つ持ち、疲れた時は、休日や平日の夜にその趣味に没頭することで、心の充電ができるようにしていきましょう。
カメラや旅行、スポーツ、音楽、DIYなど教員は多趣味な人が多いです。
いくつか趣味を持っていると、いざと言うときに、それが逃げ道となり、心が軽くなりますよ。
学生の間にいろいろなことに挑戦し、趣味の幅を広げられるといいですね。
教育実習が辛くならないために事前に準備できること
ここでは、実習を控えている人向けに事前に準備できそうなことをいくつかあげます。
- スクールボランティアなどで子どもと関わる
- 色々な経験をする
- 本やインターネットで情報を収集する
スクールボランティアなどで子どもと関わる
普段から子どもと関わっている人は、子どもとの関わりが慣れているな、と感じます。
2年生はどのようなアニメが流行っているのか、中学三年生はそろそろ受験に力を入れる時期だな、など普段からどこかで関わりがあると、関係性が作りやすいです。
長期宿泊の補助、学生ボランティア、子ども系のイベントの単発バイト、姪っ子と遊ぶ、などなどなんでもいいので子どもとの関わりが持てるといいですね。
色々な経験をする
あなたの経験が生きることがあります。
それは、子どもとの会話かもしれませんし、授業かもしれません。
私は、一人旅が好きだったので、世界の写真を紹介したことがあります。
特技を披露している人もいました。
子どもに話せること、伝えられることがいくつもある人は強いですね。
本やインターネットで情報を収集する
小学校で担当学年が決まっている人や中学校で教科が決まっている人などは、事前に本やインターネットで情報を収集し対策を立てることができます。
ぼんやりと指導案を読むだけでも、この学年ではこれだけ話し合いができるのか、や、パソコンを使ってみても面白そう、など新しい発見があります。
実習が始まると、疲れて調べる時間も惜しくなってしまいますので、実習が始まるまでの期間で眺めておくといいでしょう。
あると便利!教育実習の持ち物
以下のものは教師になってからも重宝する便利グッズです。
気に入ったものや便利なものを使っていると気持ちを上げることができます。
チョークホルダー
慣れないチョークで板書はハードルが高いです。
そんな人におすすめなのがチョークホルダーです。
チョークをホルダーにつけると、持ちやすくなります。また、チョークが短くなるとシャーペンのようにチョークの先が出てきます。
紙が保管できる多機能バインダー
指導案などの資料をもらい、授業を見学する機会が多いです。
百均などのバインダーでもいいですが、裏にペンやA4くらいの紙が入るようなバインダーだと整理をしたり、記録をしたりするときにとても便利です。
印鑑ホルダー
印鑑ホルダーを使うと押印が驚くほど楽になります。
この印鑑ホルダーには朱肉がついており、インクが薄くて押し直し、ということがなくなります。(インクは補充式ですので数ヶ月に一回は入れ替えます)
また、斜めになってしまうリスクもグッと減ります。
まとめ
こないだ中学校の教育実習にいってきたのですが、毎日楽しくてあっという間の時間でした。合唱コンでの生徒の成長を感じたのは、感動的でした🥺
働いている先生方も楽しそうに生徒と接していて、私も素晴らしい教員になりたいと思いました🤓
来年から教員としてがんばるぞー!#せんせいさいこう— NoTk (@notk54) December 1, 2019
「教育実習は辛い」と言われていますが、実習先の子どもとの関わりはとても貴重で、何年たっても印象深く残っています。
全力でぶつかり関わったからこそ、子どももそれに応えてくれ、充実したものになったのだと思います。
子どもたちは、あなたが思っている以上にあなたのことを見ています。
頑張るあなたの姿を見せて、子どもとたくさん関わってあげてください。
授業で失敗しても命まで取られるわけではありません。たくさん失敗して、最後までやり切った自分を褒めてあげてくださいね。