「タブレットやスマホは何歳から使ってもいいのか」
「早く渡して悪影響は無いのか」
「今の時代、早く渡した方が良いのかな」
息子が3歳になった時に、タブレットを買い与えてもいいものかと家族で悩みました。
悩んだ末、
ルールを親がしっかり決めて、親が管理できるならタブレットの良さをうまく活かせるのではないか、という結論に至りました。
やはり、小さな子どもにタブレットやスマホが与える悪影響は大きいようです。
私たち親は、子どもにスマホやタブレットなどのデジタル機器を与える以上、デジタルが子どもに与える影響について知っておく必要があります。
今回は、ドイツの小児科医ミヒャエラ・グレックラーが書かれた「デジタル時代の子育て」をもとに、本の要約や感想を紹介します。
こんな人におすすめ
- 子どもにいつからスマホやタブレットを与えるか悩んでいる
- 子どもにスマホやタブレットを与える時の注意点やルールが知りたい
タイトル
「デジタル時代の子育て 年齢に応じたスマホ・パソコンとのつきあい方」
著者:ミヒャエラ・グレックラー/村田光範 監修 内村真澄 翻訳
出版社:イザラ書房
スマホやタブレットを使用する問題点
体への影響
スマホやタブレットなどの長時間使用によって、以下のような悪影響があると考えられます。
・視力の低下
・睡眠の影響
・電磁波による影響
視力の低下
まだ視力が安定していない子どもが長時間デジタル機器を使用することによって、目に疲労が溜まり、視力低下の原因になります。
睡眠の影響
スマホやタブレットから発せられるブルーライトを長時間浴びることによって、睡眠がうまく取れない原因になります。
電磁波による影響
携帯電話の電磁波による健康への影響があるWi-Fi、Bluetoothなどの電磁波を発する機器の使用が増加した結果、多くの人たちが危険な状況にさらされており、健康への影響、行動リスク、子供の学業成績が低下すると言うことが既に起こっているようです。
通信産業からも声が上がっており、モバイル機器は体から最低限の距離を保って使用するよう指示しています。
iPhone Xの取扱説明書には内蔵スピーカーやヘッドフォン、ハンズフリー機能などの使用を推奨すると書いてあります。
短期的影響としては、疲労や寝付きが悪くなる、学習や行動障害、イライラ、めまい、記憶力や集中力の障害などを招く恐れがあると筆者は述べています。
多くの症状は電磁波を浴びない時間を2時間ほどとると消えます。
また、スマートフォン発売以来の5年間でADHDと診断された人の割合が急増しているという事実も見逃せません。
19歳以下の子供や若者については42%も増加しました。
心への影響
現実の世界で、子どもたちは体験をし、様々な経験をしていく必要があります。
デジタルメディアの使用のせいで、現実世界の中での子どもの発達を促す体験ができなくなることが問題です。
本来、あるべき体験や能力を得られないまま歳をとってしまいます。
歩く、走る、虫をとる、水たまりで遊ぶ、ボールで遊ぶ、など体を動かし、いろいろなものに触れることで、子ども達は多くの学びを得ています。
デジタルメディアを長く使用することで、そういった子どもにとって貴重な遊びの経験が減っていってしまわないようにしないといけません。
また、人との関わりも大切です。
デジタルメディアを多く使用することで、現実世界での人との関わりが薄れ、SNS上などバーチャルな友人たちのコミュニケーションが多くなってしまいます。
子どもが自分の欲求を満たし、人と関わる体験をタブレットやスマホ上で完結させてしまおうとすると問題です。
まず、身体面や精神面で、現実の世界で体験し学んでいく必要があります。
つまり、各年齢で、生物学的に必要な発達段階を経験し、デジタルメディアを使用する能力を発達させていく必要があります。
スマホやタブレットを与える時のルール
子どもたちをバーチャルの世界に早くからさらすのではなく、逆にそこから守っていく必要があるといえそうです。
Microsoftの創業者ビルゲイツやアップルの創業者、スティーブ、ジョブズなど、彼らの子供たちは14歳になって初めてスマートフォンを与えられたという話もあります。
とはいえ、小学生でも学校でタブレット端末を使っている時代、子どもにも持たせたいと考えることは当然です。
では、どのようなことを意識して使わせたらいいのでしょうか。
フランスの心理学者セルジュ・テスロンが年齢に応じたデジタル機器の目安について述べています。
3歳以下の子ども デジタル機器を使わせない
6歳以下の子ども ゲームをさせない
9歳以下の子ども 親の監督なくインターネットをさせない
12歳以下の子ども ソーシャルネットワークサービスを利用させない
早期からデジタル機器に触れさせることはいいことだ、という見方もありますが、子どもの発達段階に応じて、徐々にスマホやタブレットなどに触れさせていく必要がありそうです。
親ができること:予防と提案
ルールを作る以外に私たち親ができることはないのでしょうか。
妊娠中は携帯電話やスマートフォン使用を避けるようにします。
通常は電磁波がオフになる機内モードにして必要な時のみ起動させるようにするといいでしょう。
できれば、家にWi-Fiを設置しないことや、電磁波の発生源から距離を取ることを心がけるようにしましょう。
出産後は有線のコンピューター、タブレットなどを使用するようにします。
子どもが携帯電話やスマートフォンで使用する電話はハンズフリー機能を使用するようにします。
親が電話する必要があるときは、他の人たちから距離を取るようにし、特に子供から距離を取るようにしましょう。
子どもたちに様々な機会を与えてあげる
サッカーをする、何かを組み立てるなどの活動があったときに、補助的な役割でデジタル機器を利用するのは良いことだと筆者は言います。
こうした活動はバーチャルの世界とのバランスを取る力となり、子どもたちの経験をよりよくする手助けをするような使い方になります。
親の役割は、子供が現実の世界で、何らかの活動に熱心に取り組む状況を作り出すことだといえそうです。
選ぶなら制限機能付きのタブレットを
これだけ悪影響についてまとめてきましたが、やはりタブレットやスマホを使うメリットは大きいと思います。
正しい発音の英語音楽や英会話を聞くことで英語の耳が養われます。
知育ゲームでは、◯×の結果がすぐに出るため、ひらがなや数字、漢字などの習得に活かせます。
最近では歯磨きを促すアプリのように正しい生活習慣を身につけられるものもあるようです。
タブレットやスマホの良さを活かし、子どもがうまく付き合えるよう年齢に応じて制限をかけながら付き合わせていきたいですね。
購入を検討されるのであれば以下のようなタブレットがおすすめです。
ペアレント・コントロール機能がついているタブレット
ペアレント・コントロール機能がついているタブレットは、アプリのインストールなどを親が制限することができます。
チャイルドロック機能や時間制限など細かく管理することができます。
親がコントロールすることができると安心できますね。
知育パッド
タブレットとは少し違いますが、知育パッドを使用してからタブレットに慣れさせる方法もあります。最近の知育パッドは、読み書きや数字などの知育モードが充実しているものが多くあります。
子どもに親しみやすいキャラクターが使われていることも嬉しいポイントですね。
知育パッドを見てみる大人も子どもも使えるタブレット
利用制限などが付いていて、大人も子どもも使えるタブレットが欲しいという方にもおすすめのタブレットがあります。
こちらはブルーライトカット機能や時間制限モード、有線でイヤホンをつけたりと、体の悪影響が心配されていた部分に配慮がされています。
親も使えるものを探している人におすすめです。
まとめ
早めにタブレットやスマホを渡せばいいとう訳ではなく、できるだけ現実世界の経験を積んでいってからでも遅くはないかもしれません。
タブレットのメリットやデメリットを私たち親が知った上で、うまく付き合えるようにルールを決めることも大切だと思いました。
・デジタル機器の早期利用は危険もある
・現実世界で様々な経験をさせる
・その経験の補助的な役割としてタブレットを使えると良い
・12歳までは親の監督のもとで、デジタル機器を使わせると良い
・スマホやタブレットを購入するなら制限機能がついているものを選ぶ